腐植酸とは
腐植・腐植酸の定義
「腐植」とは、土壌中の有機物のうち、生きている微生物や新鮮な動植物遺体を除くすべての土壌有機物のことを指します。
「腐植」のうち、アミノ酸や多糖類などの非腐植物質を除いたもの、動植物遺体が土壌生物に分解・再合成された暗色の高分子化合物を「腐植物質」といいます。
この「腐植物質」は3つに分類され、アルカリに溶けて酸に溶けないものを「フミン酸」、アルカリにも酸にも溶けるものを「フルボ酸」、どちらにも溶けないものを「ヒューミン」といいます。
一般的に「フミン酸」と「フルボ酸」を合わせて「腐植酸」と呼んでいます。
毎作ごとに消耗する腐植酸
上記の腐植酸が土壌中には不可欠であり豊富であることが望ましいですが、栽培過程で腐植酸は消耗していくため、どうしても不足しがちです。腐植酸を補う方法の一つとして堆肥の投入が考えられますが、一般的に堆肥に含まれる腐植酸の含有量は1~2%といわれています。実際に植物遺体や未熟な有機物が腐植化するまでには多くの時間を要します。
腐植酸を補うための堆肥の過剰投入は、肥料成分の過多や未分解有機物による土壌障害が起こる可能性があります。そのため、適正な量の堆肥を施用し、低位泥炭を原料とする腐植酸を豊富に含む地力増進資材との併用が土づくりには必要です。
腐植酸の効果
直接的な効果
腐植酸を投入することで期待できる直接的な効果(植物体に直接与える効果)として、発根・根毛形成の促進があります。腐植酸の中には一部水に溶ける腐植酸が含まれており、それは極微量でも発芽や発根、根や茎の生育を促進する植物ホルモンに似た作用があることが分かっています。
間接的な効果
間接的な効果(土壌を介して植物体に与える効果)としては、保肥力の向上、微生物の活性化、リン酸固定の軽減が期待できます。腐植酸はマイナス電気を帯びており、カリやマグネシウム、カルシウムなどの陽イオン元素を保持し溶脱を防ぎます。また、土壌微生物の住処やエサとなって微生物の活性を高めることにより、土壌の団粒構造が形成されます。
さらには、近年問題となっているリン酸の固定化を腐植酸のキレート作用(金属イオンと有機物との化合)によって植物に吸収されやすい状態にし、土壌の改善が期待できます。特にリン酸吸収係数の高い土壌(火山灰土壌など)ではその効果が大きく、蓄積した過剰なリン酸成分を有効活用することができます。
腐植酸の根張り効果
腐植酸の施用により根が活性化。細根が増え根張りが良くなりました。
作物:レタス
試験地:千葉県佐倉市
腐植酸区:恵土4袋/10a施用
腐植酸原料へのこだわり
独自の品質基準を設定
腐植酸資材の原料である『泥炭』は、湖沼や湿地帯において種々の植物が成長・枯死し、酸素の供給が不十分な水中の比較的低温の条件下で、数百年から数万年の間、分解不完全な状態で堆積した天然由来のものです。しかし、原料が天然であるが故にその内容成分には当然『バラつき』があります。
そこで弊社は、『その中から独自のスペックを設定し、分析の結果、その基準を満たしたものしか使用しない』という方針を徹底し、常に安定した品質のものをお客様に提供しております。
使用事例
弊社の腐植酸は、米・麦・大豆などの穀物、トマト・タマネギ・芋などの野菜、リンゴ・ブドウ・梨など果樹を中心に日本全国で利用されています。